【完】チーズ男とあたりめ女
「悠さん、澤井財閥の長男だよ?
もしかしたら助けてくれたかも知れないのに、今の一言で嫌われたと思うよ」



「…“澤井財閥”…。そんな財閥があったのか」



「口を慎んでくれぇ!!;;」



私は父親の口を塞いだ。



「世間知らずの焼酎馬鹿ですいません!決して悪気はないんです!!;;」



「んーッ!!;;」



「大人しくしててー!!;;」



父親に喋らせまいと、口に手を押しあて続けると、悠さんが私の手を掴んだ。



「気にしてないから」



「でも…」



…私が気にするんですけど。
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