【完】チーズ男とあたりめ女
光に別れを告げ、店に出ると悠さんがカードをしまっていた。
思わず「ブラックカードを(初めて見た)…」と呟くと、不思議そうに振り返って来た。
蘭はゴールドなのに。
「親父が使ってたやつだけど…使うか?」
「使わないですよね;;」
金銭感覚、ついて行けない気がする。
…私、本当に大丈夫か!;;
これからの事を心配になりながら、私は車に乗る。
でも、隣に居ると落ち着く。
守られてるって。
肘掛けに乗せられた悠さんの手を握ると、ギュッと握り返してくれた。
赤信号で停まる車。
「……;;」
目が合うと、悠さんの顔が近付いて来た。