【完】チーズ男とあたりめ女
【4】 我慢したホスト
・傷付くのは私だけ?
【EDEN】の前。
「どうしようか。私だけ追い返されたら」
「そしたら私も帰る!」
蘭と腕を絡めながら店に入ると、目を見開いた翔さんが迎えてくれた。
「見違えたよ…海ちゃん…」
「私には何かないのか!!」
翔さんと悠さんを指名するも、悠さんは先約ありだったみたい。
「ごめんね」と謝る翔さんに首を振り、私は烏龍茶を飲んだ。
悠さんが来るまで、呑むつもりがなくて。
「彼女が居るのに、接客するなんて、はる兄も守と一緒だわ」
ワインを呑む蘭が、悠さんにも聞こえそうに言う。