【完】チーズ男とあたりめ女
「悠さんは10歳も歳上の人。
ガキで、何の取り柄もない私を好きになってくれるわけがない。
希望を持たせてくれたんですよ。
私みたいな人間でも“こんな素敵な人の彼女”になれたって、自慢させてくれただけなんですよ。
妹の友達…簡単に振れないですもんね…」



メリーゴーランドに乗る見ず知らずの子供が手を振ってくれた。

振り返し、微笑む私の体が急に温かくなった。



「違う…海ちゃんは可愛くて、優しい子だよ…」


私を抱き締めたのは、翔さんだった。

悠さんだと思ってた私はとことん馬鹿だ。

私の言った事を、否定しないのは、妹の友達で。

夢を見せてくれただけ。
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