もう1度出会いたい
翌朝

本鈴がなりゾロゾロと席に着く。

私と明莉も席についた。皆テンションが高い・・。

先生が入ってきて「今日は皆知ってるやろけど転入生が来る。」

「きゃー」「楽しみ」「早く早く」

たくさんの話し声。

「おい。龍二入れ。」

ガラガラッ。

「・・・・・・・」教室中が静かになる。

「ぇっ・・」つい声が漏れてしまった。

ビン底じゃんかぁ・・。昨日のビン底やん。

明莉が苦笑いでこっちを見る。私も苦笑いを返す。

「えと・・。東京都から着ました。矢吹 龍二っていいます。よろしく」

沈黙が続く。

その沈黙はある男子によって破られた。

「お・・おぅ。矢吹。よろしくな。ほら、席、着けよ。」

堅苦しい挨拶やな・・・。

HRが終わり私の元へとっさにくる明莉。

「ねぇ?見た?昨日の奴じゃない?」

「だね・・・。マジビン底だし」

会話が途切れる。

私は肩を叩かれて振り向く。

げ・・ビン底じゃん。

「沙羅?これ先生から。」

「え?何で・・名前?」

「あ。昨日その子が呼んでたから。」

そういって明莉を指差す。

「ふー・・ん。ありがと・・ね」

そういって日直日誌を受け取る。

「ヤバイ・・・」明莉が震える声で言う。

「どした?」私は明莉の方を見る。

「あははははは。マジうけるから。」

もぉ・・ビン底の顔見てみたいわ。

そう思った。
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