激甘学園寮生活~男子校に女子1人派遣!?~
麗と呼ばれていた彼に連れてこられたのは恐らく体育館裏。
人の気配がまったくない。
彼にここまで連れて来られる時は周りからちょっかいをかけられることもなかった。
「あの…ありがとうございます。ほんと助かりました。」
目の前に立つ美青年に声をかけるとふっと笑う
あれ?
気のせいかな?
さっきまで天使だと思えた目の前に立つ美青年が私の勘違いでなければ…今悪魔に見える。
だってこの異様な雰囲気は絶対おかしい!!
「ふ~ん。」
腕を組んで不適に笑う彼はあたしのことを下から上まで舐めるように見てくる。
「なっなんですか!!?」
意味もなく体を一応隠してみたけど最終的にあたしの顔を見て一瞬真顔になったと思ったら距離を縮めてくる。
無意識に後ろに下がるとトンと壁にぶつかった。
どっどうしよう…
サッと頬に伸びて来た手に目をやる。
その手はだんだんと唇に近づいて来て長い指が頬をつたう。
親指が唇をなぞる。それと同時にビクっと肩を上げるあたしを見てふっと笑う。
「ほんとにありがたいって思ってんの?」
あたしを見下ろすため伏せられた目は何とも色っぽい。
黙って頷く私に片手をポケットに突っ込んだ彼は腰をかがめて私の目を見据えた。
「だったら…感謝の気持ちは形に表すべきでしょ。」
そう言った彼の顔が妙に近いと思ったと同時に
私は目を見開いた。