激甘学園寮生活~男子校に女子1人派遣!?~
「今度乗っけてやる。」
「ほんと!?絶対だよ?約束ね。」
少し振り返ってからすぐヘルメットを見た。
「何も聞かないの?」
「何が?」
「聞いた?恵利のこと…」
顔は見えないけど、いつもより張りのない声に気づいてしまった。
「うん…」
「それで、聞かないの?今日のこと…」
「うん。麗が話したくなったら話して。」
それから変態からの言葉はなかった。
ただ沈黙だけが続いて…
今は1人になりたいんじゃないかなって思ってヘルメットを置いた。
「じゃぁ私…ちょっ!ちょっと!」
その時後ろから変態の腕に包まれた。
「1分だけ…こうさせて。」
それからギュッと腕に力を入れて、私の肩に顔をうずめた。
何も言えなかった。
だけど、いつもの変態じゃないことは確かで…
ただ抱きしめられていた。