激甘学園寮生活~男子校に女子1人派遣!?~
「ごめん。」
麗の腕に解放された。
抱きしめられて気づいてしまった。
何かにすがるような…
変態らしくない弱さが見えた気がした。
声も腕も微かに震えてるし。
振り返って麗の顔を見ると力なく笑っていて
胸の奥がギュッと掴まれるように痛くなった。
「ううん、いぃの。」
気づいた時には体は勝手に動いていて…
ただゆっくりと麗の首に腕を回して優しく抱きしめた。
もちろん麗はビックリしてアタフタしてた。
「ちょ!莉緒お前…」
なんて言っていつもは散々人の体ベタベタ触ってくるくせに腕を回そうともしない。
「いぃの!今は私がこうしてたいの。」
少し強めに言ってギュッと抱きついた。
今日麗に何があったかなんてわからない。
だけど…
きっと麗は傷ついてると思う。
なら私は今ギュッと抱き締めてあげたい。