激甘学園寮生活~男子校に女子1人派遣!?~
~3章~
読めない心
コイツ…
昨日落ち込んでた人と同一人物ですか?
「はぁ~」
「何ため息ついてんの?」
そう聞いてくれたのは律。
「麗ってさ…意外と吹っ切るの早いほう?」
前方で鼻歌なんか歌いながら歩く金髪野郎を見たら、そうとしか思えない。
「どうだろね?」
いつになく少し真面目な表情で言った楓。
この時はそうとしか思えなかった。
「ぼーっとしてっとスカート捲られちゃうよ?」
いつの間にか目の前で立ち止まっていたヤツが口を開く。
「そんな事するのはあんたくらいでしょ!!変態!!!」
そう言ってヤツの横を通り過ぎ、1人で先々と学校までの道を進む。
そんな私は気づくはずもなかった。
その背中を切なく笑ったヤツが見つめていたなんて…