怪盗キルア!俺が宝を盗むワケ$
『君が例の少年、か』
連れていかれたのは、大きな部屋だった
壁は本で埋まり、あちらこちらから飛び出ている
お世辞にもきれいとは言えない部屋だった
『じいさん、バリスに入れるのは裁判所直々のお願いだから仕方ねぇが、いくら開眼をしたからって他はただのガキだぜ?
一緒に訓練をうけるわけにはいかねーだろ』
じいさんと呼ばれたのはバリス本部を取り仕切る南次郎(なんじろう)だった
白ひげを蓄えたおじいさん
この人がバリスを仕切っている……
『だからお前を世話係として指名したんだ
この子の父親は剣士だったからな。藤丸、君も剣術を習っていたな』
『はい……』
『それなら平太に特別生として訓練してもらうといい
彼の剣の腕前は私の次にいい』
『ったく、ちゃっかりしてるぜ……わかったよ。ほら、藤丸行くぞ』