怪盗キルア!俺が宝を盗むワケ$
ビルの屋上にいたのは間違いなくキルアだった
「キルア……っ!!」
その声に、キルアの方がかすかに揺れた
「……みつかっちゃったみたいだな」
振り返ることなくつぶやいたキルア
なぜかその姿が悲しそうに見えた
「きょ、今日は捕まえないっ
だけど、追い詰めた限りあんたの正体を突き止める証拠を見つけるんだからっ!!」
「ぷ……っ。」
あ、あれ……?
あたしなんか変なこと言った?
「相変わらずおもしろいね、君。
だけど俺はそんな簡単につかまんないのっ」
そう言っていつもの調子でおどけてみせた
柵の上にトン、と飛び乗ったキルア
だけど逃げる気配はみせない
恐る恐る距離を縮めるあたし
「あのさ、1つ相談していい?」
「えっ!?」
いきなり質問を投げかけられ、思わずあたしは変な声を出してしまった
「このまま……捕まっちゃったほうが楽なのかなぁ……」