怪盗キルア!俺が宝を盗むワケ$
『でも確かに……』
イルはポツリと呟いた
『今までのことを振り返ると、翔は大きな外傷のダメージを受けていないね』
「どういうことだ、イル」
藤丸は怪訝そうな顔をイルに向ける
『だっておかしいと思わない?
僕と藤丸は1度気を失ってる
でもそれはレクシアから攻撃を受けた。
もしくはレクシアを倒したときの体力の消耗
それに藤丸の場合、常にリエルから命を狙われてる状態
いつ攻撃を受けてもおかしくない
玲哉は1度開眼をコントロールできなかった翔から大きなダメージを受けてるよね』
「あぁ。」
俺は確か……あれ?
「俺、誰かに攻撃されてダメージを受けたことない」
『そう。
翔は自我を失った結果であって、敵から大きな外傷を受けたことはない』
つまり、それって……
「中には本気で翔を倒したいと思っていたやつもいるだろうが、それがわからない今は、あえて翔を傷つけなかった線が濃いな」
藤丸は険しい顔をしながら一点を見つめた