怪盗キルア!俺が宝を盗むワケ$
時は止まったまま
そのはずなのに空はどんどん暗くなっていった
というよりも、モノクロの世界のように色褪せていくようだった
「そろそろだ。
翔、開眼できるか」
「……了解」
俺はキルアになると同時に、右手で目を覆った
「開眼」
とたんに力があがったのを感じた
『藤丸、妖界に連絡したほうがいい?』
「大丈夫だ、イル
偶然か必然か……今夜は満月だからな
もう少し時間が経てば妖界との行き来は自由になって、バリスの兵がくる」
モノクロの世界に昇りはじめた月を見上げながら藤丸は呟いた
「これが最後の満月となるのは納得できないな」