怪盗キルア!俺が宝を盗むワケ$
クスクス
クスクス
誰かの笑う声がした。
女の人みたいだけど……
「誰だ!!姿を現せっ」
俺は声を荒くする
『結界をはる者がいたなんて予想外でしたわ』
イルのように頭に響く鈴のような声
「お前……まさか!!」
藤丸の顔は青くなった
「藤丸……?」
その瞬間、何かが飛んできた
パリン!!
ガラスのような音がして、玲哉のはった結界が消えた
「お久しぶりですわ、藤丸様
あら?私の忠告をお忘れなのかしら……ずいぶん呪いが進行してるようね」
目の前に突如として現れたのは、かわいらしい声が似合う、髪の長いきれいな人だった
「黙れ……っ。」
苦虫を潰したような表情で藤丸は女の人を睨んだ
イルもひげをひくひくさせている
「あら、この子……」
女の人は突然俺のほうをチラリとみる
「こいつらに手をだすな。」
「あら、そんな顔しないで
今日は藤丸様の顔を見たかっただけですわ
それに、おもしろいものも見れたし、今日は失礼しようかしら」
笑顔を絶やさない女の人は、そのまま消えようとしていた
「そうだ。1ついい忘れたことが。
藤丸様、このままだったらあなたの体はもう限界ですわ
さて、いつまでもつのかしら
それでは、また近いうちに」
「待て!!」
藤丸が手を伸ばし女の人は消え、空をつかんだだけだった。