怪盗キルア!俺が宝を盗むワケ$
藤丸の過去
藤丸の過去――――…
俺は黙って頷いた
「俺の父親は屋敷に住む王族の護衛をしていた
そして母親は王妃の世話役だった
それが両親の出会いだった」
ここまでを聞けば他愛もない友達の両親のなれ初めだ
「当然その間に俺は生まれた
同時に王と王妃の間にも娘が生まれた
今ではそいつとは幼なじみの関係だ」
『姫華だよね』
「あぁ、恐らくいずれ会うことになる
俺はそんな当たり前で幸せな生活を送っていた
両親や友人に恵まれて、俺は父親から剣術を学んだ
本当に幸せだった……」
昔を懐かしむような遠い目で藤丸は一点を見つめた