幕末陰陽師
第一章
『私はあなたを“道具”としか見なさない。』




それが主様のいつもの口癖だ。




……私は道具だ。主様の手となり足となり、命令を忠実にこなす、“道具”だ。




…それでかまわない。




誰にも必要とされず、存在する意味すら見いだせない、そんな状況にいるよりは、私はそれでかまわないのだ。
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