幕末陰陽師
家に着いた。
狭く、古い家だ。
そこにあるのは主様が調伏に使う道具のみ。
それ以外は見当たらない。
主様は家に入ると、少し疲れた様子で何かを書き始めた。
“きょうとしゅごしょく”への報告書なのだ、と主様は言っていた。
私は家の外で見張る。
主様はよくたちの悪い異形に狙われる。
主様には強い力があるらしく、その魂を食らおうとする異形が後を絶たないのだ。
ふと、後方に気配を感じた。
―――来た。