幕末陰陽師


私にも痛みというものを感じることが出来るのだ。




滑稽な人間やケダモノと罵った異形どもと同じように。

…いや、私は彼らよりももっと下等な存在なのだろう。




この世で最も無様なのは私だ。
灰となり消えゆく異形どもよりも醜く、愚かしい……。




「………っぐ……。」




串刺しになった体は大量の血を失い、全く動かぬ。




〈弱イ、弱イゾ野孤ノ式神ヨ。サァテ、ドコカラ切リ裂イテヤロウカ。〉
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