幕末陰陽師
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「お前の大義は何だ?」






屯所の縁側で刀の手入れをしていた時だった。






突然隊長が尋ねてきたものだから、俺は慌てて姿勢を正した。

「は、はっ…自分の大義は、徳川将軍の為、誠忠を尽くす事であります。」






「ははっ、そんな建前はいらねぇよ。たまには本音の一つでも言ったらどうだよ?…お前は何処か他人と壁作ってるっていうか、隊士達に心開けてねぇだろ?」






俺は先月この新選組に入隊したばかりだった。
剣の腕には自信があったから、入隊試験も難なくこなせたが、人付き合いの苦手な俺は、屯所で隊務をしていくうちに孤立していった。



そんな時に声をかけてきたのが隊長だった。

「本音…ですか?」






「ああ、今のお前の言葉は本心じゃない、俺の目を見くびるなよ。」




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