幕末陰陽師

┣失われた記憶

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閃光が煌めいた。




私は一瞬何が起こったのか理解出来なかった。






気付くと私は木に身体を打ち付け、意識を失っていた。






そして左耳に違和感を感じ始めた時、事態を悟った。






──私は主様の命を遂行出来なかったのだ。






男の姿は消えていた。





森は静寂で包まれ、ここに訪れた当初の怪しい気配は消え去っていた。






まだ頭が正常に働かぬ。
どうにか私は立ち上がろうとした。


だがその瞬間、森が傾いた。





大きく体勢を崩して倒れこんだ私は、ようやく己の左耳が聴力を失っていることに気付いた。



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