幕末陰陽師
主様は…主様はどこだ…?





己の身体はどうでもいい。
私は“道具”だ。



それよりも主様を守らねばならぬ。






朦朧とする意識のなか、私は辺りの気配と匂いとを頼りに、ふらつく身体を起こして主様を探した。






森は闇で包まれている。
視界などは全く役に立たぬ。
「主様ーっ…!!」






幾分か歩いた所で主様は倒れこんでいた。

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