幕末陰陽師
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少しは体力が戻ったものの、熱は一向に下がらなかった。






私はうなされていた。





あの日の夢を見たのだ。





今から5年前──あの新月の夜、私は取り返しの付かないことをした。






この罪は一生をもってしても償うことなど出来ないだろう。






それ程のことを、私はしてしまったのだ。






ならばせめて終わらせなければならない。






私が狂わせてしまったあの人を、自分の手で、終わらせなければならない……。



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