幕末陰陽師
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死屍累々

そんな言葉が相応しいのだろう。






異形の血が充満し、鼻が利かぬ。

これほど血に塗れたことがあっただろうか。


そんな疑問が浮かんで消えた。





頭が回らぬ。






森に入った夜と同じように、思考が働かぬのだ。






これだけの力を解放したにも関わらず、己の身が人間の体裁のまま保っていられる事も、その時私は気付くことすら出来なかった。

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