幕末陰陽師

「…主様」






かすかに聞き取れる声が聞こえた。






「キツネ…!」






キツネの意識が戻った。






まだ焦点の合わない瞳が空を見つめていたが、ふらつく手は私を探していた。






すかさず私はその手を握った。



「…すまない。お前には無理をさせ過ぎた…すまない。」






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