【短編】双子の憂鬱
双子の憂鬱
「――――あの、アタシ。ずっと好きでした」
放課後の体育館の校舎裏。
セミロングの髪を揺らしながら、頬をほんのりと染めながら、女が言う。
……うん、まぁ合格。
なかなかのレベル、って感じ。
そこらの男子なら普通にオチるだろうな。
「初めて見た時から、カッコイイなって思ってて…」
でもさ、ありえない。
「アタシを蓮(レン)くんの彼女にしてください」
つーか、論外?
ゴメン、笑っちまいそう。
口に手を当て、くつくつと笑うのを堪えていると、目の前の女が慌てる。
「え、っと…蓮くん?」
「あぁ、悪い悪い。アホらしくて」
「えっ…?」
いや、だってアホらしいだろ。