【短編】双子の憂鬱
手ごわい、なんて蓮が言ってたから、どんなゴツいヤツが来るのかと思っていた俺は、拍子抜けした。
「あっ、来てくれたんですね!」
……ちっさ!
中庭のドアを開けた俺の元に駆けてきた相手を見て、心の中で思い切りツッコんだ。
「嬉しい!ありがとうございます!」
「あ、あぁ」
俺の胸元にも届くか届かないくらいの身長の相手を見下ろし、俺は尋ねた。
「アンタ、身長いくつ?」
「えっ?身長ですか?」
「うん」
「150センチです」
……ちっさ!
再び同じツッコミが入り、俺は吹き出した。
「えっ?えっ?」
慌てたようにオロオロする相手は、やっぱり俺のお腹辺りにしか届いていなくて。
それがまた、俺のツボに入った。