女の子はみーんなお姫様*
Aくんの白いYシャツの真ん中に見事に納豆がくっついていた。くっさー。
数粒へばりついていて、異臭を放っていて、残念だ。
「ぶつかってゴメンね。」
Aくんからの謝罪に
「う、ううん。全然…」
Aくんからは目線を逸らしつつ、ドキマギしながら答える。納豆には気づいてませんよ、みたいな。
もともと、私が悪かったから。
ただただ真っ直ぐ歩いていたAくんに、ぶつかりに行ったと思われる私が悪いからね。いや、確実、私がぶつかりに行ったみたいだけどね。
「痛いところとか、ない?」
私に近づき、腰をかがめて顔を覗きこんでくるAくん。計算ですかー!
…胸きゅん奪われましたけど。
「ぜ、全然。」
一歩後づさりながら、答える。
Aくんは全然悪くないんだけども、だけども、
やっぱ、くっさー。