ひなたの林檎
桃色の世界
あの日はすっごく
空が泣いてたな
あたしも君と喧嘩して
泣いてた…
君からの電話もメールも
全然なくて
世界にあたし1人しか
いないのかって思うぐらい
寂しかったんだ
雨が窓ガラスに当たる音に
混じってコンッって音がした
何度も何度も何度も
ちょっといらっとして
窓の外を見ると
君がずぶ濡れで立ってた
君が携帯を耳に当てた瞬間
君だけの着信音が鳴った
「 ………… 」
もしもしも言わず
電話に出ると
「 悪かった 」
って一言
「 それだけ? 」
ってちょっと冷たく言ってみた
「 どんな言い訳したって
お前を傷つけたことは
変わりないだろ
ほんと悪かった 」
自分でもわかんないぐらい
早くあたしは君へと走り
君を抱きしめた
「 …風邪ひくよ 」
「 …お前戻ってきたから
看病してくれんだろ? 」
ねぇ、空さんも泣かないで
あたしたち仲直りしたよ
早く晴れてくんなきゃ
あたしも風邪ひいちゃう
看病できないじゃんか
.