妖怪の住む町
「あ、のさ麗華。」

「何だ?どうした?」

学校が終わり麗華の元へと行く。

この風景を見るのも麗華の顔を見るのも今日が最後。

と思うと、やけに喉が熱くて。

声がなかなか思うように出なかった。

「僕、引っ越すんだ。今週。
だから麗華に会うのも今日が最後……に、なる。」

言った。言ってしまった。

振り絞った声が震えて。

震えて。胸が張り裂けそうに痛い。

「……か。馬鹿!!
もっと早く言え!!もっと早く!!
そうしたら私だって……」

聞いた事のない声に。

表情に。

目を反らす事なんてできなかった。

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