妖怪の住む町
しまいには

「会いに来るな!!」

そうきつく言い放って僕を遠ざけた。

あれは本当に傷ついたよ。

二、三日は会いに行く
事もしなかった。

三日が経って僕が部屋の
窓を開けると君が目の前にいた。

夢じゃないかと目を擦る僕に

「お前に会いに来たんじゃない。
その、散歩してたら目の
前を通ってだな…
話し相手がいなくなった
ら寂しいではないか!!」

「ごめん。
明日からはまた会いに行くから。」

そう言うと君は初めて笑った。

とても素敵な笑顔だった
事を覚えてる。

花のような笑顔。

僕はその笑顔を忘れる事はないだろう。
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