妖怪の住む町
最初は本当にしつこい人間で大嫌いだった。

だけど毎日会いに来て話しをしているうちに好きになった。

何で好きなのかわからない。

多分、憧れてたんだ。

私が知らない世界を知っている悠一。

彼なら私を、どんな所にも連れて行ってくれるのでは。

等と叶わない夢を見ていた。

10年振りに会った悠一は大人になっていた。

背も高くなって知らない人のようだった。

昔の悠一じゃないような気がして。

私の知っている悠一ではないような気がして。

あの娘と最後にした会話を思い出す。

甘酸っぱくて、切なくて。

でも、どこか温かい気持ちになる。

悠一は私の事を、
こんなにも想っていてくれたんだ。

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