妖怪の住む町
悠一がくれたんだ。

私に名前を。

人を好きになる事を教えてくれた悠一が。

「さあ、お父さんの所へ戻っておいで。」

「うん。お姉さんまたね。」

れいかは笑ってた。

悠一と同じ優しくて温かい笑顔だった。

思い出す。

10年前の記憶を……。

はじめて会った日。

名前をもらった日。

別れをした日。

また会いに来ると約束した日。
< 27 / 29 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop