それでも世界はまわる
「僕、美佳さんのことあきらめんけぇね」

背中を見せたままそう言って、りおんも飛び出した。

入れ替わりに、美緒奈が来た。戻ってこないのを心配して探していたのだった。
美佳は、大好きな親友に抱きついた。

そして声をあげて泣いた。

美緒奈は何があったのかと聞いてきたが、美佳は答えられずにいた。
ただ、ずっと泣いていた。

今週の美佳の掃除担当は、慎吾と二人で本校舎の二階廊下。

その場所に行くのは辛かったが、心通わせた慎吾なのでなんとか行くことができた。
もし、慎吾ではなく主犯の智之、当事者りおんだったら、きっとさぼっていただろう。

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