それでも世界はまわる
これでは完全に八つ当たりだ。美佳は慌てて慎吾を見る。
彼は下を向いていた。

「美佳さんの気持ち分かんないよ。
 僕・・・美佳さんのこと助けてあげれんよ・・・」

慎吾はそのまま目も合わせずに、出て行ってしまった。

残されたのは涙を流して立ち尽くした美佳と、彼との間にできた壁だけだった。

どうして自分は、仲間たちと喧嘩ばかりするのだろう。

掃除終了を告げるチャイムが聞こえてきた。


   *      *      *
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