それでも世界はまわる
授業終了のチャイムが鳴り、学級委員の一人、山口未羽が号令をかけた。
美佳は教科書をしまうと、潤たちに誘われて短い休み時間をトイレに使うことにした。

二時間目は学活。おそらく体育祭の反省・感想だろうと踏んでいたが、やはり予想通りだ。
しかもただ書き連ねるだけでは面白みがないので四字熟語でと指示が出た。

山本先生は社会科を担当していて、世論だけに流されないユーモアな一面がある。
四文字に思いを込めて、なんて熱く語っていたが、美佳は優勝した赤組にいたという理由だけで、完全無欠と書いた。

その休み時間、掲示係の神楽りおんと佐々木恵は、先ほど書いた全員分の感想を、教室後ろ側の壁に貼っていた。


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