それでも世界はまわる
美佳はりおんと会話もできず立っていた。
しばらくして逃げ出そうとしたところに理沙が帰ってきて練習を強要するので、それをせざるを得なくなってしまった。

美佳の前でりおんが頭を下げる。

「そちはどこの出身じゃ?」

美佳が台詞を言うと、りおんは頭を上げ、軽く右を見る。本当なら洋子がいるはずだ。
次は洋子の台詞なので少し間をあけ、今度は美佳と理沙の台詞。今は理沙もいないので、美佳一人で言う。

「え、なんと?」

「左様でございます、父上。何かご不満でもございましょうか」

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