それでも世界はまわる
「何を申す、わしは断じて許さん。何故そのような娘なのだ。もっと他におるだろう。おい、じい。他の娘を連れてまいれー」

立ち上がり、動きを利用して逃げようとした時だ。

どくん。心臓が何か警告する。

ふと、振り返ってしまった美佳を、りおんはじっと見つめていた。

美佳は足が石にでもなったかのように、そのまま動くことができなくなった。

「・・・僕は、美佳さんじゃないと嫌だ」

次の瞬間、りおんは美佳の右手を引っ張って、教室を出て行った。
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