それでも世界はまわる
しかし、二人には気になることがあった。
この慎吾の体だ。

「みんなとかに言うのは、美佳さんが戻ってからにしよう」

「うん・・・あたしも思ってた。正式に付き合うのもその後じゃね」

これが大きな、本当の壁だったのかもしれないと思うと、悔しくてたまらなかった。

「あ、でも入れ替わったのは正直、感謝しとるよ。そうでないと、たぶん美佳さんと近付けんかった気がする」

視線が下に向いたことを気遣ってか、りおんが再びはにかむ。
頬をかきながら、しっくりくる表現を探している感じだ。
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