それでも世界はまわる
そしてそれを手伝っていたのが慎吾。

彼は高い部分の掲示をするため、ロッカーの上に椅子を置いて、どう見ても危なっかしい位置に立っていた。

美佳はりおんのことが、中学校にあがった頃から好きだった。

成長するたび綺麗になる容貌、スタイルはいつ見てもドキドキするし、落ち着いたクールな性格もまた乙女心をくすぐられる。

中学二年の時一度告白したのだが、手紙だったためか返事をしてもらえなかった。
やんわり断られていると認識しつつ、それでもはっきり言われたわけではないし、りおんも知らぬような平然とした態度をとるので諦めがつかずにいる。
実際交友関係は他の友人たちと違わない。

次に気持ちを伝えるのは、最後の卒業式にしようと決めている。
きっと進路も離れる、返事を聞くのが怖かった。


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