それでも世界はまわる
美佳は、今日という日のお陰で自分自身に素直になることを覚えた。
少しだけ、大人になれたと思う。

飼っている柴犬をかまいながら、木の葉の揺れる音に耳を傾けていた。もう紅葉も始まっている。
そんな秋の夕暮れ。


   *      *      *


十一月十六日。美佳は慌ただしく家の階段を駆け降りた。

あさっては文化祭、今日は朝から執行部と慎吾とで打ち合わせがある。寝過した。
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