それでも世界はまわる
美佳はきちんと並べられた椅子の一つ、慎吾の席に座った。
前にりおん、後ろに拓也がいる。男子の間の席は落ち着かない。隣に汐里がいるのがせめてもの救いだ。
体裁を考えると女子とおしゃべりするわけにもいかず、ただ体育館のざわめきに身を委ねていた。不思議と喧騒も心地良い。
しばらくして照明が落とされ、フェードインしてくるアルファ。
大島先生のお気に入りヴァンゲリスの曲から選んだそれが、壮大な始まりを告げる。
「鳥のさえずり、澄んだ空気、まっすぐに昇る太陽。すべてが本日の開催を祝福してくれるようです。
これから、今年度水瀬中文化祭オープニングを始めます!」
智之が言った途端に大きく拍手が沸き起こった。
今、私たちの文化祭が始まったのだ。
前にりおん、後ろに拓也がいる。男子の間の席は落ち着かない。隣に汐里がいるのがせめてもの救いだ。
体裁を考えると女子とおしゃべりするわけにもいかず、ただ体育館のざわめきに身を委ねていた。不思議と喧騒も心地良い。
しばらくして照明が落とされ、フェードインしてくるアルファ。
大島先生のお気に入りヴァンゲリスの曲から選んだそれが、壮大な始まりを告げる。
「鳥のさえずり、澄んだ空気、まっすぐに昇る太陽。すべてが本日の開催を祝福してくれるようです。
これから、今年度水瀬中文化祭オープニングを始めます!」
智之が言った途端に大きく拍手が沸き起こった。
今、私たちの文化祭が始まったのだ。