それでも世界はまわる
慎吾は軽く一礼すると、マイクのスイッチを入れ、小さく息を吸い込んだ。


   *      *      *


「トド!」

注目が集まる。

「これは絶対トドって読むんだよ!」

「美佳、美佳。それはイルカって読むんよ」

「え、でもイルカは太ってないよ?」

さやかが苦笑いする。二人の掛け合いにほころぶグループメンバー。

今はレク、知恵比べの真っ最中だ。
主催は執行部、アイデアを出したのは美佳だった。
自分で参加してもけっこう楽しむことができたし、他の人たちも予想以上に盛り上がったように見える。

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