それでも世界はまわる
(誰・・・)

「・・・美佳さんってばーっ。美佳さん目ぇ開けてよー」

だんだん近付いてくる声。

(この声・・・慎吾くん・・・)

美佳はそっと目を開いた。

見えたものは、自分の体だ。
自分が倒れているのが見える。

その周辺にはクラスメイトのみんなが集まっていた。
隣では慎吾も眠っている。
美佳は顔を上げた。

「はは・・・元気・・・?」

「・・・慎吾くん?」

慎吾の体は浮いていた。下半身がない。

「慎吾くん、死んじゃったの!?」

「美佳さんもじゃん・・・」

本当だ。美佳の体も下半身がなく、プカプカと揺れていた。

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