それでも世界はまわる
「今さらだけど・・・あたし、みんなを引っ張っていく自信ない・・・。
 もし鍵が見つからんくて、レクができんくなったら、あたし・・・たぶんなんもできん・・・。どうすればいいんか分からん・・・」

言葉が止まって、沈黙が落ちる。
感情の起伏が激しい美佳と違って、気の強い美緒奈には滅多にない弱気。よほどプレッシャーを感じていたのだろう。

数秒して智之がため息をついた。

「ほんとに今さらだよ。今まで生徒会長やってきたじゃん。今まで執行部がんばってきたじゃん。
 美緒奈はひとりじゃないよ。美佳さんもおるし、恵さんも、英二も大島先生も、助け合ってきたろ?
 ・・・それに、今度は僕も、今まで以上にそばにおる。
 今はレクができんかったらじゃなくて、できるように動こう」

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