それでも世界はまわる
温かみが美緒奈の胸の中に込み上げる。
彼はいつもそうだ。きちんとまわりを見ていて、スマートな判断ができる。誰も傷付けず、時に厳しくも正しい方向に導いてくれる。
自分はこんな優しい智之が好きなのだ。

そんなことを考えているのが本人にばれてしまわないよう、一生懸命悩んで、答えた。

「ありがと。そうだよね、あたしには、こんな素敵な仲間がいっぱいおるもんね! 弱気になってゴメン!」

精一杯笑顔を作った。

素敵な仲間、なんて山本先生の熱血が感染しちゃったかな。でもぴったりな単語に思えた。
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