それでも世界はまわる
智之は、そんなきらきら顔を見て一瞬にっこりすると、美緒奈の左手を握った。
美緒奈が驚いている隙に、ぐいっと引っ張る。

「もうこんなことしとる時間はないんよ! 行こう!」

もう一度微笑んで頷いた。

そのまま階段を上りきる。

「あ、ミオ! 智之君!」

すると階段の下から恵が叫んだ。
聞きながら、二人は焦って手を離す。そして美緒奈は何事もなかったかのように問いかける。

「メグ。ど、どーしたん?」
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