それでも世界はまわる
「鍵ね、見つかったんよ!
 二人がラブラブしとる間に、ね」

恵がにやける。その手にはしっかり、生徒会室と書かれた鍵が握られていた。

「なんなんよぉ・・・。メグ意地悪っ・・・」

美緒奈は沸騰して蒸発して消えてしまいそうだ。
智之は照れ隠しに恵と会話をかわすが、彼の言動はぎこちなく、平静を装うどころか恵にさらなる笑いをもたらすのだった。

「千尋が持っとったんよ。・・・クラス委員とかで忙しいもんね」

千尋は風紀委員長も担当している。
クラス委員、合唱コンクール指揮など、執行部並みに慌ただしかったに違いない。

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