それでも世界はまわる
「でも死んでないと思うよ。意識あるけぇ。
 たぶん、幽体離脱ってやつじゃろ」

全くつじつまの合わない理由だが、混乱している美佳には十分だった。

「なら、早う戻りたいよ!」

「体に入ればいいんじゃない?
 ・・・それにしても、本体の美佳さんの間抜けな顔」

慎吾が、倒れている美佳の体に近付く。

「うっさいなー」

突如その身体は輝き始めた。
その眩しさに声をあげるが早いか、慎吾はスルスルと見事美佳の体に吸い込まれていってしまう。

「うわわわわわわーっ!?」

「あーっ! だめー! そっちはあたしの!」



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