それでも世界はまわる
音響でさやかの声が流れた。

ここで一度暗転だ。妄想の中の平安時代にタイムスリップする。
手の空いた人たちが机や椅子を片付け、背景を貼ったりする間、幕の前にりおんと智之が登場して会話を繰り広げる。

「ここは平安時代のとある宮殿。ここに光氏源という、今で言う野口五郎のようなマンがいました」

ナレーターCの和奏が言う。
マンの発音を良く、と練習で口酸っぱく雅弓とさやかに言われていたせいか、今回が森下先生も納得の一番ネイティブな発音だった。

保護者の年代のアイドルである彼の名前が出てきた時、大人の笑いが目立った。
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