それでも世界はまわる
「そして男女の集い、今で言う合コンが始まりました」

美佳は、これは合コンではなくお見合いではないのだろうか、と思いながらそれを聞いていた。

そして劇一番の見せ場であるこの場面をじっくり見つめていた。
いや、場面をというより、りおんを、と言ったほうが正しいだろう。

幕が開くと、舞台の上手――客席から見て右――に頭を下げている美緒奈と千尋と雅弓と洋子。浴衣姿が大人らしさを演出している。
下手に――左――りおんと智之がいた。

「苦しゅうない、面をあげい」

若が言うと四人は顔上げ、光氏源の花嫁選びが始まった。
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